屋根の葺き替えとは?既存屋根を撤去して下地から改修する工事を解説

屋根の葺き替えとは、既存の屋根材を撤去し、下地の状態を確認・補修したうえで、新しいルーフィング(下葺き材)と屋根材を施工する改修工事です。単に「古い屋根材を新品へ交換する工事」ではなく、普段は屋根材に隠れて見えない防水層や野地板まで確認できることが大きな特徴です。この記事では、葺き替えの工事範囲、施工の流れ、カバー工法との違い、どのような屋根で検討されるのかを専門施工会社の視点から解説します。

屋根の葺き替えとは既存屋根を撤去してつくり直す工事

屋根の葺き替えとは、現在の屋根材を撤去し、必要な下地補修を行ったうえで新しい屋根を施工する工事です。

S・B・Gの実際の検索表示クエリにも「屋根の葺き替えとは」「屋根葺き替えとは」「葺き替え」「葺き替えとは」「屋根 葺き替え 下地」があり、葺き替えという言葉の意味だけでなく、屋根の下地まで含めて工事内容を知りたい検索が発生しています。

一般的な屋根を上から見ると、表面には瓦、スレート、金属屋根などの「屋根材」があります。しかし、住宅を雨から守る屋根は屋根材だけで構成されているわけではありません。

代表的には、

屋根材
↓
ルーフィング(下葺き材・防水シート)
↓
野地板
↓
垂木などの構造部

という複数の層があります。

葺き替えでは、このうち既存の屋根材を撤去することで、その下にある部分の状態を確認しながら改修できます。

ここが、既存屋根を残して施工するカバー工法との大きな違いです。

ケイミューが公開しているスレート屋根のリフォーム工法比較でも、葺き替えは既存屋根材を撤去して新しい屋根材を施工する工法として、既存屋根の上へ新しい屋根を施工する重ね葺きとは区別されています。

【ケイミュー株式会社「スレート屋根のリフォーム工法比較」】
https://www.kmew.co.jp/sotoreform/recolonier/pdf/comparison.pdf?202503=

塗装・カバー工法・葺き替えのどれを選ぶべきかという工法選定そのものについては、別の記事で詳しく整理しています。

古い屋根は塗装・カバー工法・葺き替えのどれがいい?工法を決める判断軸

葺き替えで重要なのは「屋根材の交換」より下地を確認できること

葺き替えを「屋根材を新品に交換する工事」とだけ理解すると、この工法の意味が十分に伝わりません。

施工会社の視点では、葺き替えの大きな特徴の一つは、既存屋根材を撤去することで、その下に隠れていた状態を直接確認できることです。

屋根材の下にはルーフィングがある

瓦やスレート、金属屋根などの屋根材は雨を受けて排水する役割を持っていますが、屋根材だけですべての雨水を完全に遮断しているわけではありません。

屋根材の下には、ルーフィングと呼ばれる下葺き材が施工されています。

S・B・Gの実績クエリにも、

「ルーフィングシート防水」
「屋根下地 ルーフィング」
「屋根下地 防水シート」
「屋根下地防水シート」
「屋根材 ルーフィング」
「防水 ルーフィング」

といった検索が確認されています。

ルーフィングは、屋根材の内側へ入った雨水を建物内部へ到達させず、軒先方向へ排出するための重要な防水層です。

そのため、屋根を長期間維持するうえでは、表面に見えている屋根材だけでなく、その下にどのような防水層を構成するかも重要になります。

さらに下に野地板がある

ルーフィングの下には、野地板と呼ばれる屋根下地があります。

屋根材やルーフィングを支え、屋根材を固定するための下地になる部分です。

葺き替えでは既存屋根材を撤去するため、野地板の状態を確認し、傷みがある部分を補修したり、必要に応じて新しい下地を設けたりしてから新しい屋根を施工できます。

メーカーの改修仕様でも、葺き替え時には既存屋根を撤去したうえで下地の状態を考慮することが明確にされています。ケイミューの技術資料では、屋根リフォーム時に既存屋根材・下葺材を撤去し、屋根下地を所定の基準へ復旧させる考え方が示されています。

つまり葺き替えは、

古い仕上げ材を新しくする工事

だけではなく、

これから新しい屋根を支える土台を確認し、必要な部分まで改修できる工事

と考えると分かりやすくなります。

屋根の葺き替え工事はどのような順番で進む?

実際の施工内容は屋根材や建物によって異なりますが、葺き替え工事の基本的な考え方は共通しています。

1.既存の屋根材・役物を撤去する

最初に既存屋根を解体します。

屋根面だけではなく、棟などに施工されている役物も、新しい屋根を施工するために必要な範囲を撤去します。

瓦屋根、スレート屋根、金属屋根では構造や撤去方法が異なるため、「葺き替え」という名称が同じでも工事内容が完全に同じになるわけではありません。

2.撤去後に下地を確認する

屋根材を撤去すると、これまで表面からは確認できなかった下地が見えるようになります。

ここで野地板の状態などを確認します。

例えば下地の一部に傷みがあれば、どの範囲を修繕する必要があるのかを判断します。

この工程は葺き替えにおいて非常に重要です。

新しい屋根材だけきれいに施工しても、その屋根を固定する下地に問題があれば、屋根全体として適切な改修とはいえません。

「新しい屋根材を何にするか」より先に、新しい屋根を受ける下地をどの状態にするのかを見る必要があります。

3.必要に応じて野地板などを補修する

既存下地の状態を確認した結果、補修や増し張り、交換などが必要であれば、状態と採用する施工仕様に合わせて下地を整えます。

ここで注意したいのは、「葺き替え=必ず野地板を全面交換する」という意味ではないことです。

既存下地をどこまで利用できるのか、どこを補修する必要があるのかは建物ごとに異なります。

一方で、下地の傷みが確認されているのに、それを無視して新しい屋根を施工するのも適切ではありません。

だからこそ葺き替え工事では、見積書に「屋根材撤去・新規屋根施工」とだけ書かれているかではなく、下地をどのように扱う予定なのかまで確認する価値があります。

4.新しいルーフィングを施工する

下地を整えた後、新しいルーフィングを施工します。

ルーフィングは屋根の防水構造を担うため、単に屋根全面へ敷けばよいものではありません。

軒先から棟方向へ施工し、上下の重なりを確保しながら雨水が下へ流れる構成をつくります。谷や壁際など、雨水が集まりやすい部分や異なる部位との取り合いでは、採用する材料や仕様に従った施工が必要です。

屋根材の下へ隠れてしまう部分ですが、完成後には簡単に確認できなくなるからこそ、葺き替え工事では重要な工程です。

5.新しい屋根材と板金役物を施工する

ルーフィングの施工後、新しい屋根材を葺いていきます。

金属屋根へ葺き替える場合であれば、屋根本体だけではなく、軒先・ケラバ・棟・谷・壁際などに必要な板金役物も屋根形状に合わせて施工します。

S・B・Gの実績クエリには「屋根 谷 納まり」「ケラバ板金 納まり」「ガルバリウム 屋根 納まり」「板金 水切り 納まり」など、屋根材そのものではなく各部の納まりを調べる検索もあります。

建築板金の屋根工事では、平らな屋根面だけでなく、こうした端部や取り合いまで含めて一つの屋根を構成します。

葺き替えとカバー工法は「既存屋根を撤去するか」が大きな違い

葺き替えと比較されやすいのが屋根カバー工法です。

実績クエリにも「屋根に屋根を重ねる」「屋根の上に屋根」「屋根カバー工法 耐用年数」などがあり、既存屋根を残す工事への関心も確認できます。

両者の大きな違いは、既存屋根を撤去するかどうかです。

カバー工法
既存屋根を基本的に残し、その上へ新しい下葺き材や屋根材を施工する。

葺き替え
既存屋根材を撤去し、下地を確認・補修してから新しい下葺き材と屋根材を施工する。

カバー工法には、既存屋根の撤去範囲を抑えられるという特徴があります。

一方、葺き替えは既存屋根材を撤去するため、隠れていた下地を直接確認できることが大きな違いです。

したがって、「葺き替えのほうが上位の工事」「カバー工法のほうが得」という比較ではありません。

既存屋根を残して新しい屋根を成立させられる状態なのか、それとも既存屋根を撤去して下地から改修する必要があるのか。

ここで判断します。

アイジー工業の改修マニュアルでも、既存屋根や下地の状態などに応じて、既存屋根を残す工法と既存屋根材を撤去する葺き替えの施工方法が分けられています。

つまり、工法名から先に決めるのではなく、現在の屋根を調査した結果として施工方法を決めることが基本です。

葺き替えを検討するのはどんな屋根?

では、どのような場合に葺き替えが候補になるのでしょうか。

下地の状態を確認・修繕する必要がある場合

既存屋根の下地まで傷みが疑われる場合は、屋根材を撤去して状態を確認できる葺き替えを検討する理由になります。

屋根の上から見えるのは基本的に仕上げ材です。

しかし実際には、その下にルーフィングや野地板があります。

表面だけを新しくしても解決できない問題がある場合は、下地まで工事範囲を広げる必要があります。

既存屋根を残した改修が適さない場合

カバー工法には適用できる既存屋根材や下地の条件があります。

「古い屋根なら何でも金属屋根を被せられる」というものではありません。

既存屋根の種類、形状、下地の状態、新しい屋根材の施工条件などを確認し、既存屋根を残した施工が適さなければ、撤去して葺き替える方法を検討します。

屋根材だけでなく防水層も更新したい場合

塗装は既存屋根材の表面を維持する工事であり、既存ルーフィングを新しくする工事ではありません。

葺き替えでは既存屋根材を撤去し、新しいルーフィングを施工できます。

屋根を改修するときには、表面の見た目だけでなく、これから雨水をどの層で受け、どのように排出するのかという防水構造まで考える必要があります。

屋根材を変更したい場合

既存屋根を撤去して、別の種類の屋根材へ変更する場合にも葺き替えが行われます。

例えば条件が合えば、既存の屋根からガルバリウム鋼板などを使用した金属屋根へ変更することもあります。

S・B・Gの実績クエリにも「金属屋根 葺き替え」「ガルバリウム鋼板 屋根」「屋根 ガルバリウム鋼板」が確認されています。

ただし、金属屋根へ変更すれば自動的に適切な葺き替えになるわけではありません。屋根勾配、下地、屋根形状、採用する製品の施工条件などを確認したうえで材料を選定します。

雨漏りしている屋根は葺き替えれば直る?

雨漏りしている住宅で、葺き替えを提案されることもあります。

ここで注意したいのは、

「雨漏りしている=屋根全面を葺き替えればよい」

とは限らないことです。

雨漏りの侵入経路は屋根面だけとは限りません。

棟板金、谷、屋根と外壁の取り合い、外壁、笠木、窓などの開口部、防水層など、さまざまな箇所が関係します。

実際の検索クエリにも「棟板金 雨漏り」「外壁 雨漏り」「窓から雨漏り 原因」「笠木 雨漏り」「雨漏り 原因」「雨漏り 調査」など、複数の部位に関する検索が確認されています。

したがって、雨漏りがある場合の順番は、

原因調査
↓
雨水の侵入箇所・経路を特定
↓
傷んでいる範囲を確認
↓
必要な修繕範囲を決定
↓
葺き替えを含めた適切な工法を選択

となります。

局所的な板金の不具合が原因であれば、部分修理で対応できる場合があります。

反対に、屋根材を撤去しなければ防水層や下地の問題を適切に改修できない状態であれば、葺き替えを選択する理由になります。

葺き替えは雨漏りに対する「万能な工事」ではなく、原因と劣化範囲を調べた結果として選択される工法の一つです。

葺き替えの見積もりでは屋根材以外も確認する

葺き替え工事の見積書を見ると、新しい屋根材の商品名や金額に目が向きやすくなります。

しかし、葺き替えの本質を考えると、確認したいのは屋根材だけではありません。

例えば、

  • 既存屋根材の撤去範囲
  • 既存役物の撤去範囲
  • 廃材の処理
  • 野地板など下地の扱い
  • 下地補修が必要になった場合の考え方
  • 新しいルーフィングの種類・施工範囲
  • 新しい屋根材の種類
  • 棟・軒先・ケラバ・谷・壁際などの納まり
  • 雨樋や外壁など周辺部との取り合い

などを確認します。

特に既存屋根を撤去するまで下地の全体像が分からない住宅では、見積もり段階で下地補修をどのように扱うのか確認しておくと、工事内容を理解しやすくなります。

また、「屋根一式」という表記だけでは、どこまで含まれているのか分かりません。

新しい屋根材だけを比較するのではなく、撤去から下地、防水層、屋根材、役物まで、屋根をどう再構成する見積もりなのかを見ることが葺き替えでは特に重要です。

焼津市・藤枝市・静岡市で屋根の葺き替えを検討するなら

S・B・Gの実績クエリには「焼津市 屋根 リフォーム」「藤枝市 屋根 リフォーム」「静岡市 屋根 リフォーム」も確認されています。

焼津市・藤枝市・静岡市など静岡県中部で古い屋根を改修するときも、「築年数が古いから葺き替え」と決めるのではなく、まず現在の屋根を確認することが出発点です。

屋根材はまだ維持できるのか。
ルーフィングを更新する必要があるのか。
野地板に補修が必要なのか。
既存屋根を残してカバー工法を行えるのか。
それとも撤去して下地から改修したほうがよいのか。

同じ築年数でも、この答えは住宅によって変わります。

株式会社S・B・Gでは、屋根・外壁・建築板金など住宅外装を扱う施工会社として、工法を先に決めるのではなく、既存材料や下地、防水層、雨漏りの有無などを確認したうえで必要な工事範囲を考えることを基本としています。

葺き替えが必要なのかを知りたい場合は、「葺き替え工事はいくらか」だけではなく、なぜ既存屋根を撤去する必要があるのかまで確認することが、工事内容を判断するうえで大切です。

よくある質問

屋根の葺き替えでは野地板も必ず交換しますか?

必ず全面交換するとは限りません。既存屋根材を撤去したあとに下地の状態を確認し、採用する屋根材や施工仕様も踏まえて、補修・増し張り・交換など必要な対応を判断します。「葺き替え=野地板を必ず全交換」と考えるのではなく、既存下地をどこまで利用できるのかを確認することが必要です。

葺き替えとカバー工法は何が違いますか?

大きな違いは既存屋根材を撤去するかどうかです。カバー工法は既存屋根を基本的に残して新しい屋根を施工します。葺き替えは既存屋根材を撤去するため、下地を直接確認し、必要な補修を行ったうえで新しい屋根を施工できます。

屋根が古ければ葺き替えたほうがいいですか?

築年数だけでは判断できません。屋根材の種類と劣化状態、ルーフィング、野地板、雨漏りの有無、既存屋根を残した改修が可能かなどを確認して判断します。状態によっては塗装や部分修理、カバー工法など別の工事が適する場合もあります。

葺き替えれば雨漏りは必ず直りますか?

雨漏りの原因が屋根の葺き替え範囲にあり、その原因を適切に解消できれば改善につながります。しかし雨水の侵入箇所は屋根だけとは限りません。外壁、開口部、笠木、取り合いなどが原因の場合もあるため、まず原因を調査し、その結果から修繕範囲を決める必要があります。

スレート屋根から金属屋根へ葺き替えることはできますか?

建物や屋根の状態、勾配、下地、採用する屋根材の施工条件などが合えば選択肢になります。ガルバリウム鋼板などを使用した金属屋根も候補になりますが、材料だけで決めず、下地や各部の納まりまで含めて施工方法を検討します。

まとめ

屋根の葺き替えとは、古い屋根材を撤去して新しい屋根材へ交換するだけの工事ではありません。

既存屋根を撤去することで、これまで隠れていたルーフィングや野地板などの状態を確認し、必要な部分を補修したうえで、下地・防水層・屋根材・板金役物を新しい屋根として組み直す工事です。

葺き替えを検討するときは、

既存屋根材を撤去する必要があるのか
下地にどのような問題があるのか
野地板をどこまで利用できるのか
新しいルーフィングをどう施工するのか
棟・谷・軒先・ケラバ・壁際をどう納めるのか
なぜカバー工法ではなく葺き替えなのか

を確認してください。

築年数だけで葺き替えを決める必要はありません。

反対に、表面だけを見るとまだ使えそうでも、その下にある防水層や下地まで改修する必要があれば、既存屋根を撤去する意味が生まれます。

「新しい屋根材は何にするか」より先に、「今の屋根のどこまでを残せるのか」を確認する。

それが、葺き替えが本当に必要かどうかを判断するための基本です。

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