屋根リフォームでルーフィングを選ぶときに確認したい性能と施工方法



屋根リフォームでルーフィングを選ぶときに確認したい性能と施工方法

屋根リフォームでは、スレートや金属屋根など表面に見える「屋根材」に注目しがちですが、雨漏りを防ぐうえで重要なのが屋根材の下に施工するルーフィングです。ルーフィングは製品によって性能や特徴が異なり、さらに高性能な製品を選んでも施工方法が適切でなければ十分な防水性能を発揮できません。この記事では、屋根リフォームでルーフィングを選ぶ際に確認したい性能と、施工時に重要となる重ね・立ち上げ・固定・雨仕舞などの考え方を、住宅外装の専門施工会社の視点から解説します。

屋根リフォームのルーフィング選びは「製品」と「施工」の両方が重要

屋根リフォームでルーフィングを選ぶとき、最初に押さえておきたいのは、ルーフィングは製品の性能だけで判断するものではないということです。

ルーフィングとは、屋根材の下に施工する防水シートです。

一般的な屋根は、

屋根材
↓
ルーフィング
↓
野地板などの下地

という構造になっています。

雨が降ったとき、すべての雨水を屋根材だけで完全に遮断しているわけではありません。屋根材の継ぎ目などから内部へ回った水をルーフィングで受け止め、軒先方向へ排出することで建物内部への浸水を防ぎます。

そのため、屋根リフォームでは表面に施工する屋根材だけでなく、その下にどのような防水層をつくるかが重要です。

そしてルーフィングを選ぶ際には、大きく分けて二つの視点が必要です。

一つは、ルーフィング自体の性能。

もう一つは、その性能を発揮させるための施工方法です。

高性能なルーフィングを使用しても、重ね方や立ち上げ、取り合いの処理などが適切でなければ、防水層として十分に機能しない可能性があります。

反対に、ルーフィングの施工だけを重視して、建物や工法に適していない材料を選ぶことも避けなければなりません。

つまり屋根リフォームでは、

「どのルーフィングを使うか」と「どう施工するか」をセットで考えること

が重要です。

ルーフィングを選ぶときに確認したい主な性能

ルーフィングにはさまざまな製品があります。

住宅所有者がすべての製品仕様を比較する必要はありませんが、見積もりや工事内容を確認するときには、少なくとも「どのような性能を考えて選定されているのか」を確認しておくとよいでしょう。

防水性能

最も基本となるのが防水性能です。

ルーフィングの大きな役割は、屋根材の下へ入った水を野地板へ到達させず、軒先方向へ排出することです。

ただし、ここで注意したいのは、ルーフィング一枚だけで屋根全体の防水性能が決まるわけではないことです。

実際の屋根には、シート同士の重なり、棟、谷、軒先、ケラバ、壁際、各種板金との取り合いなどがあります。

つまり、材料そのものに防水性能があっても、施工によって防水層が連続していなければ意味がありません。

ルーフィングは「防水性能の高いシートを敷けば終わり」ではなく、屋根全体として水をどこからどこへ流すかを考えて施工する材料です。

耐久性

屋根リフォームでは、ルーフィングの耐久性も重要です。

屋根材は施工後も外側から状態を確認できますが、ルーフィングは屋根材の下に隠れます。

一度屋根が完成すると、ルーフィングだけを簡単に交換することはできません。

既存ルーフィングを交換する場合、基本的にはその上にある屋根材を撤去する必要があります。

だからこそ、新しい屋根材の耐久性だけを考えるのではなく、その下に施工するルーフィングについても長期的な視点で選ぶ必要があります。

特に金属屋根などを使用して長期間の使用を想定する場合、表面の屋根材だけ高耐久にして、防水層をほとんど検討しないという考え方は適切ではありません。

屋根は「屋根材+ルーフィング+下地+板金・雨仕舞」という複数の要素で構成されているからです。

釘やビスなど固定部周辺の止水性

ルーフィングを施工した後、その上には屋根材が施工されます。

工法によっては、屋根材などを固定する釘やビスがルーフィングを貫通します。

そこで重要になるのが、固定部周辺から水が入りにくい状態を維持できるかという点です。

特に屋根カバー工法や金属屋根工事では、ルーフィングだけを見るのではなく、その上へどのように屋根材を固定するのかまで考える必要があります。

「ルーフィングに穴を開けないこと」だけを考えるのではなく、屋根全体の施工システムとして防水性を確保することが重要です。

下地への追従性・施工性

屋根は完全な平面とは限りません。

既存住宅のリフォームでは、下地の状態や屋根形状、取り合いなどによって施工条件が変わります。

ルーフィングには、施工する下地になじみやすいか、複雑な部分で適切に納められるかといった施工性も求められます。

材料の性能が高くても、現場条件に対して施工しにくく、しわや不適切な重なりが生じれば本来の性能を十分に発揮できない可能性があります。

材料選定ではカタログ上の数値だけでなく、実際の屋根へどう施工するかまで考えることが必要です。

ルーフィングにはどのような種類があるのか

ルーフィングには複数の種類があり、製品ごとに構成や特徴が異なります。

ここでは屋根リフォームを検討するときに知っておきたい代表的な分類を整理します。

アスファルトルーフィング

アスファルトを利用した防水シートは、住宅屋根で広く使われてきたルーフィングの一つです。

同じ「アスファルトルーフィング」と呼ばれるものでも、製品によって仕様や性能は異なります。

そのため、見積書に「ルーフィング」としか書かれていない場合は、どの製品・仕様を使用する予定なのか確認してもよいでしょう。

改質アスファルトルーフィング

改質アスファルトルーフィングは、アスファルトに改質材を加えるなどして性能を高めたタイプです。

一般に「ゴムアス」などと呼ばれることもあります。

屋根リフォームでは比較的よく検討されるルーフィングですが、「改質アスファルトだからすべて同じ性能」というわけではありません。

製品によって仕様が異なるため、商品名やメーカーの仕様を確認して比較することが大切です。

粘着層付きルーフィング

裏面に粘着層を持つルーフィングもあります。

タッカーなどによる固定方法とは異なり、下地へ貼り付けて施工できることが特徴です。

特に屋根カバー工法などでは、既存屋根の種類や施工条件によって粘着タイプが選択されることがあります。

ただし、「粘着式だから必ず優れている」「非粘着式だから性能が低い」という単純な比較はできません。

施工する下地や屋根材、工法、メーカー仕様などを踏まえて選定する必要があります。

透湿性を持つルーフィング

製品によっては、防水性を持ちながら湿気を外へ逃がすことを考えた透湿系のルーフィングもあります。

ただし、透湿性能を活かすためには屋根全体の構成との整合が重要です。

ルーフィング単体だけを高性能な製品へ変更すれば屋根全体の性能が向上するとは限らないため、下地や通気構造を含めて考える必要があります。

性能以上に重要なルーフィングの施工方法

ルーフィングを比較すると、どうしても「どの商品が一番いいのか」という話になりやすいですが、実際の屋根工事では施工方法が非常に重要です。

同じ製品を使用しても、納まりによって防水層の状態は変わります。

ルーフィングは下から上へ重ねる

屋根の雨水は基本的に高い位置から低い位置へ流れます。

そのため、ルーフィングも水の流れを考えて施工します。

基本的には軒先側から棟側へ向かって施工し、上側のルーフィングが下側のルーフィングへ重なるようにします。

こうすることで、ルーフィング上へ入った水が重ね部分の内側へ入りにくくなり、そのまま下方向へ流れていきます。

これは屋根工事における雨仕舞の基本的な考え方です。

反対方向に重なっていれば、水を受ける形になってしまう可能性があります。

重要なのは「シートを敷いたか」ではなく、水がどのように流れる状態になっているかです。

重ね幅は施工基準に従う

ルーフィング同士は一定の幅を重ねて施工します。

必要な重ね寸法は、使用する製品や施工箇所、メーカーの施工基準などに従って決める必要があります。

重ねが不足していれば、雨水が接合部分へ到達した際のリスクが高まります。

一方で、単純に大きく重ねればよいというものでもありません。

使用する製品の仕様を確認し、決められた方法で施工することが基本です。

壁際や立ち上がりは平場と同じ考え方では施工できない

屋根の平らな面だけでなく、外壁と屋根が接する部分にも注意が必要です。

こうした取り合いでは、ルーフィングを適切に立ち上げ、さらに水切りなどの板金部材と組み合わせて雨仕舞をつくります。

屋根と壁が接する場所は、水の流れが単純ではありません。

ルーフィング、外壁側の防水層、板金などがどのように重なっているかが重要になります。

建築板金では、板金を取り付けて隙間を隠すことだけが仕事ではありません。

防水層と板金をどの順序で重ね、水を建物内部へ入れず外へ排出するかまで考えて納めます。

谷部分は特に雨仕舞が重要

屋根面と屋根面がぶつかり、水が集まる部分を「谷」と呼びます。

谷には複数の屋根面から雨水が集まるため、屋根の中でも雨仕舞が重要な場所の一つです。

ルーフィングだけでなく、谷板金などを含めた納まり全体で防水を考える必要があります。

高性能なルーフィングを選んでいても、谷や壁際などの重要部分の施工が適切でなければ、屋根全体として十分な雨仕舞になりません。

屋根カバー工法と葺き替えではルーフィングの施工条件が違う

屋根リフォームでは、工法によってルーフィングを施工する下地が異なります。

この違いも材料選定で重要なポイントです。

屋根カバー工法の場合

屋根カバー工法では、既存の屋根材を基本的に残し、その上から新しい防水層と屋根材を施工します。

例えば既存スレート屋根を金属屋根でカバーする場合、

既存スレート
↓
新しいルーフィング
↓
新しい金属屋根

という構成になります。

つまり、新しいルーフィングを既存屋根材の上へ施工します。

そのため、既存屋根材の種類や表面状態、新しい屋根材の施工方法などを踏まえ、適したルーフィングを選ぶ必要があります。

カバー工法ではガルバリウム鋼板などを使用した金属屋根が選択肢になることがありますが、金属屋根だけを見て仕様を決めるのではなく、その下の防水層まで含めて考えることが重要です。

葺き替えの場合

葺き替えでは既存屋根材を撤去します。

既存ルーフィングも撤去し、野地板などの下地を確認したうえで必要な修繕を行い、新しいルーフィングと屋根材を施工します。

既存屋根を撤去するため、下地の状態を直接確認できることが大きな違いです。

下地に問題があれば、必要な修繕を行ってから新しい防水層をつくることができます。

一方で、屋根材の撤去や処分などが必要になるため、カバー工法とは工事内容が異なります。

どちらが適しているかはルーフィングだけで決まるものではなく、既存屋根材、下地、雨漏りの有無、建物の状態などを確認して判断します。

屋根塗装ではルーフィングを新しくできない

焼津市で屋根リフォームを検討している方から見ても、「屋根塗装」と「屋根カバー工法」「葺き替え」の違いは分かりにくいかもしれません。

ここで重要なのは、屋根塗装では基本的にルーフィングを交換できないことです。

塗装するのは屋根材の表面です。

ルーフィングはその下にあります。

したがって、屋根材表面の塗膜が劣化しているだけなら塗装を検討できる場合がありますが、ルーフィングや下地に問題がある住宅で、表面を塗装したからといって内部の防水層が新しくなるわけではありません。

特に雨漏りが発生している場合は、「屋根を塗れば雨漏りも止まる」と単純に考えないことが重要です。

そもそも雨漏りは屋根だけが原因とは限りません。

外壁、開口部、屋根と外壁の取り合い、各種板金などから雨水が浸入する場合もあります。

原因を確認した結果、ルーフィングや屋根下地に問題があるのであれば、それに対応した修繕方法を考える必要があります。

見積もりでは「屋根材」だけでなくルーフィングの仕様も確認する

屋根リフォームの見積もりを比較するとき、金額と屋根材の商品名だけを見てしまうことがあります。

しかし、防水層まで考えるのであればルーフィングについても確認しておきたいところです。

例えば、

どのルーフィングを使用するのか。
どのような特徴を持つ製品なのか。
カバー工法なのか葺き替えなのか。
どの下地へ施工するのか。
壁際・谷・棟などをどのように納めるのか。

といった点です。

特に見積書へ単に「防水シート」「ルーフィング」とだけ記載されている場合は、使用予定の製品名や仕様を確認してもよいでしょう。

ただし、商品名だけを聞いて「高いルーフィングだから安心」と判断するのも十分ではありません。

屋根工事では、材料と施工がセットです。

ルーフィングを適切に重ねても、その後の板金施工や屋根材の納まりに問題があれば雨水の経路は変わります。

逆に、板金だけを丁寧に施工しても、その下の防水層が適切につながっていなければ十分ではありません。

屋根は一つの材料で防水しているのではなく、複数の材料と納まりを組み合わせて雨水を外へ排出する構造だからです。

株式会社S・B・Gが屋根や住宅外装について「診断が変われば、工事も変わる。」という考え方を大切にしているのもこのためです。

最初から塗装、カバー工法、葺き替えのどれかに決めるのではなく、既存屋根材・ルーフィング・下地・板金・雨漏りの有無などを確認し、現在の住宅に必要な工事を判断することが重要です。

よくある質問

Q1. 屋根リフォームでは高性能なルーフィングを選んだほうがいいですか?

性能は重要ですが、単純に価格やグレードだけで決めるものではありません。

屋根材、工法、下地の状態、施工条件などを踏まえて選定する必要があります。また、高性能な製品でも重ねや取り合いなどの施工が適切でなければ、本来の性能を十分に発揮できません。

材料の性能と施工方法の両方を確認することが大切です。

Q2. 改質アスファルトルーフィングなら安心ですか?

改質アスファルトルーフィングにも複数の製品があり、すべて同じ仕様・性能ではありません。

「改質アスファルト」という分類だけで判断せず、使用する製品の仕様や施工方法を確認することが重要です。

また、どのルーフィングを使用する場合でも、重ね・立ち上げ・取り合いなどの施工品質が重要になります。

Q3. 屋根カバー工法でも新しいルーフィングを施工しますか?

一般的な屋根カバー工法では、既存屋根材の上へ新しいルーフィングを施工し、その上へ新しい金属屋根などを施工します。

つまり、既存ルーフィングを交換するのではなく、既存屋根の上へ新しい防水層を形成する考え方です。

ただし、既存屋根や下地の状態によってはカバー工法が適さない場合があります。

Q4. 屋根塗装をすればルーフィングも長持ちしますか?

屋根塗装とルーフィングの更新は別の工事です。

塗装は基本的に屋根材表面へ行うもので、その下にあるルーフィングを交換したり、劣化した防水層を直接修理したりするものではありません。

ルーフィングや下地に問題がある場合は、塗装とは別の修繕方法を検討する必要があります。

Q5. 見積書に「ルーフィング」としか書いていない場合は確認したほうがいいですか?

使用する製品や仕様を確認しておくことをおすすめします。

屋根材についてはメーカーや商品名が記載されているのに、ルーフィングについては「防水シート一式」とだけ書かれているケースもあります。

屋根リフォーム後はルーフィングが見えなくなるため、工事前に使用材料と施工内容を確認しておくことが重要です。

まとめ|ルーフィングは「何を使うか」と「どう施工するか」で考える

屋根リフォームでルーフィングを選ぶときは、単純に「一番高性能な商品」を選べばよいわけではありません。

確認したいのは、防水性能や耐久性、固定部周辺の止水性、施工性などの材料性能と、そのルーフィングを実際の屋根へどのように施工するかです。

特に屋根の防水では、平場だけでなく、重ね部分、棟、谷、壁際、軒先などの雨仕舞が重要になります。

さらに、屋根カバー工法なのか葺き替えなのかによって、ルーフィングを施工する下地や条件も異なります。

屋根材だけ高性能にする。
ルーフィングだけ高性能にする。
板金だけ新しくする。

こうした一部分だけではなく、屋根材・ルーフィング・下地・板金を一つの屋根として考えることが重要です。

また、既存屋根の状態によっては塗装で対応できる場合もあれば、カバー工法や葺き替えが必要になる場合もあります。

工法を先に決めるのではなく、現在の屋根を確認してから必要な工事を決める。

「診断が変われば、工事も変わる。」

株式会社S・B・Gでは、焼津市を中心に藤枝市・静岡市など静岡県中部の屋根リフォーム・建築板金・住宅外装について、表面の屋根材だけでなく、その下にある防水層や下地、雨仕舞まで含めて考えることを重視しています。

屋根リフォームを検討するときは、「どの屋根材を使うか」だけでなく、「その下の防水をどうつくるのか」まで確認することが大切です。


屋根のルーフィングとは?雨漏りを防ぐ防水層の役割をわかりやすく解説







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