「屋根から雨漏りしているなら、塗装をすれば防水できるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、屋根塗装と雨漏り修理は基本的に別の工事です。塗膜は主に屋根材の表面を保護するもので、屋根内部への雨水の浸入を防ぐ仕組みは、ルーフィングや板金、各部の雨仕舞などを含めて構成されています。この記事では、塗膜と防水層の役割の違いから、雨漏りが起きたときに塗装より先に確認すべきポイントまで解説します。
結論|屋根塗装をしても雨漏りが直るとは限らない
最初に結論からお伝えすると、雨漏りしている屋根を塗装したからといって、雨漏りが直るとは限りません。
むしろ、雨漏りが発生しているのであれば、塗装を検討する前に「どこから雨水が入っているのか」を調べる必要があります。
屋根塗装で形成される塗膜と、住宅内部への雨水の浸入を防ぐ防水構造では、役割が違うからです。
一般的な勾配屋根は、大まかに見ると、
屋根材
↓
ルーフィング(下葺き材・防水シート)
↓
野地板などの下地
という層で構成されています。
さらに実際の屋根には、棟・谷・軒先・ケラバ・壁際などがあり、それぞれに板金や役物を使用して雨水を適切に流すための納まりがつくられています。
雨漏りを考える場合は、表面に見えている屋根材だけではなく、屋根全体を一つの防水構造として見る必要があります。
住宅瑕疵担保責任保険協会が公開している設計施工基準でも、屋根ふき材を使用する勾配屋根では、下葺き材について防水性能や重ね幅などが定められています。つまり、屋根の防水は表面の塗膜だけで成立しているものではありません。
【住宅瑕疵担保責任保険協会「リフォーム工事瑕疵担保責任保険 設計施工基準」】
https://www.kashihoken.or.jp/files/session_material.pdf
屋根の「塗膜」と「防水層」は何が違う?
屋根塗装と雨漏り修理を混同しないためには、まず塗膜と防水層の役割を分けて考えることが重要です。
塗膜は屋根材の表面を保護する
屋根塗装では、既存の屋根材に下塗り・中塗り・上塗りなどを行い、表面に塗膜を形成します。
塗膜には、屋根材表面を保護したり、美観を整えたりする役割があります。
化粧スレートや塗装された金属屋根などでは、既存屋根材の状態によって再塗装がメンテナンス方法の一つになります。
しかし、塗料は屋根全体を一枚の防水シートのように包み込む材料ではありません。
屋根材には重なりがあり、棟や谷、壁との取り合いなど複数の接続部分があります。屋根は、こうした各部分から入った雨水を適切に排出することも考えて施工されています。
そのため、「塗膜がある=屋根内部へ一滴も水が入らない」という構造ではありません。
屋根塗装はいつ必要?塗装できる屋根・塗装では直せない屋根の見分け方
ルーフィングは屋根内部への雨水浸入を防ぐ重要な層
屋根材の下には、ルーフィングと呼ばれる下葺き材が施工されています。
S・B・Gの実際の検索表示クエリにも、「ルーフィングシート防水」「屋根下地 ルーフィング」「屋根下地 防水シート」「屋根材 ルーフィング」「防水 ルーフィング」といった検索が確認されています。
屋根材の下へ回った雨水を建物内部へ浸入させず、軒先側へ排出するために重要なのが、この下葺き材です。
住宅瑕疵担保責任保険協会の設計施工基準では、屋根ふき材を用いる場合、下葺き材に一定以上の防水性能を求めるだけでなく、上下・左右の重ねや、谷部・棟部、壁面立ち上がり部などについても施工方法が定められています。
つまり、防水性能は「材料を置けば成立する」のではなく、水の流れを考えた重ね方や納まりまで含めて成立するということです。
屋根材は雨を受けるが、屋根材だけで防水しているわけではない
ここは屋根塗装と雨漏りの関係を理解するうえで、特に重要なポイントです。
スレートや金属屋根など、表面に見えている屋根材は雨を受け、その多くを軒先へ流します。
しかし、屋根材の重なりや接続部などから、その下へ雨水が回る可能性まで考えて屋根はつくられています。
そのため、
屋根材=一次的に雨を受けて排水する部分
ルーフィング=屋根材の下へ回った雨水を建物内部へ入れないための重要な防水層
と考えると分かりやすいでしょう。
さらに、屋根には棟板金、谷板金、雨押えなどの板金部材があり、それぞれが雨水を受け流す役割を持っています。
特に壁との取り合いや谷部などは、単純な平面ではありません。
屋根材、ルーフィング、板金の立ち上がりや重ねなどを組み合わせて、雨水が内部へ入りにくく、入ったとしても適切に外へ排出されるように納めます。
これが「雨仕舞」です。
屋根の防水を理解するときは、単純に「水を完全に遮断する」と考えるのではなく、水がどこを通り、どこへ流れ、どこから排出されるのかを見ることが大切です。
なぜ屋根塗装では雨漏りを直せないことがあるのか
雨漏りの原因が塗膜ではない場合、屋根表面を新しく塗装しても原因部分は残ったままです。
代表的な例を見てみましょう。
ルーフィングが劣化している
屋根材の下にあるルーフィングが破れたり、劣化したりして雨水を受け止められなくなっている場合、表面の屋根材を塗装してもルーフィングは直りません。
塗装工事では通常、既存屋根材をすべて撤去してルーフィングを交換するわけではないからです。
表面だけを見るときれいな屋根になっていても、その下にある防水層の問題は残っている可能性があります。
棟や谷などの板金部分に原因がある
S・B・Gの検索実績には「棟板金 雨漏り」「笠木 雨漏り」「ベランダ 笠木 雨漏り」といった、板金部分と雨漏りを組み合わせたクエリも確認されています。
屋根では棟板金や谷板金、壁際の雨押えなど、さまざまな板金部材が使用されています。
板金の浮き、変形、腐食、接合部や下地の不具合、納まりの問題などが雨水浸入につながっている場合、その原因に対して修理する必要があります。
屋根面を塗装するだけでは、板金内部の納まりまで変わりません。
壁との取り合いから雨水が入っている
屋根と外壁が接する部分は、雨漏り調査で確認すべき場所の一つです。
屋根材だけではなく、壁側の防水処理、板金、ルーフィングなど複数の部材が関係しています。
雨水がどのように流れる納まりになっているのかを確認せず、表面だけをコーキングや塗料で塞ぐと、本来外へ排出されるはずの水の通り道まで塞いでしまう可能性があります。
そもそも屋根以外から雨漏りしている
室内の天井から水が落ちているからといって、必ず屋根が原因とは限りません。
実際の検索クエリにも「外壁 雨漏り」「窓 雨漏り」「窓から雨漏り 原因」「窓の上から雨漏り」「笠木 雨漏り」など、さまざまな部位についての雨漏り検索が確認されています。
外壁、窓まわり、笠木、屋根と外壁の取り合いなどから雨水が入り、建物内部を伝って別の場所へ現れることもあります。
住宅瑕疵担保責任保険協会でも、「雨水の浸入を防止する部分」として屋根だけでなく、外壁や開口部の建具などを挙げています。
したがって、雨漏り調査では「天井から漏れているから屋根を塗る」と決めるのではなく、雨水が建物のどこから入り、どの経路を通って室内へ現れているのかを調べる必要があります。
雨漏り修理はどこに頼む?原因調査から屋根・外壁まで確認できる業者の選び方
雨漏りしている屋根に塗装する前に確認すること
雨漏りが発生している場合は、工法を先に決めるのではなく、次の順番で考えます。
原因調査
↓
雨水の侵入箇所・経路の特定
↓
修繕する範囲の判断
↓
原因に適した修理
ここで重要なのは、「雨漏りしている場所」と「雨水が入っている場所」が同じとは限らないことです。
室内のシミの真上に穴があるとは限りません。
雨水は屋根材や下地、柱などを伝って移動してから室内へ現れる場合があるため、室内側の症状だけで侵入口を断定することはできません。
そのため現場では、状況に応じて、
- 屋根材の割れや欠損
- 棟・谷・壁際などの板金
- 屋根と外壁の取り合い
- 開口部周辺
- コーキングや過去の補修跡
- ルーフィングなど防水層の状態
- 野地板など下地の状態
- 雨水が流れた形跡
などを確認していきます。
原因が特定できて初めて、部分修理で対応できるのか、屋根全体の工事が必要なのかを判断できます。
「とりあえずコーキングで塞ぐ」ことにも注意が必要
雨漏り箇所らしい隙間を見つけると、「ここをコーキングで埋めれば止まる」と考えやすいものです。
もちろん、適切な場所に適切な方法でシーリング材を使用する施工はあります。
問題なのは、雨水の流れを確認せず、とにかく見える隙間を塞ぐことです。
屋根や外壁には、水を外へ排出するために必要な隙間や経路があります。
そこを不用意に塞いでしまうと、入った水の出口がなくなり、別の場所へ回ることがあります。
実際の検索データにも「雨漏り 隙間埋め」というクエリが確認されていますが、雨漏り修理では「隙間を見つけること」と「そこが雨漏りの原因であること」は同じではありません。
コーキングも塗装も、材料そのものが悪いわけではありません。
原因に対して適切な場所へ、適切な方法で使われているかが重要です。
雨漏り修理後に屋根塗装をすることはある
ここまで読むと、「雨漏りしている屋根は塗装してはいけないのか」と感じるかもしれませんが、そういう意味ではありません。
雨漏りの原因を修理したうえで、屋根材の状態から再塗装が適しているのであれば、塗装を行うことはあります。
例えば、
雨漏りの原因となっていた部分を修理する
↓
屋根全体を確認する
↓
既存屋根材は今後も使用できる
↓
表面保護や美観維持のために塗装する
という順番であれば、雨漏り修理と屋根塗装はそれぞれ別の役割を持った工事として成立します。
反対に、防水層や下地まで広範囲に劣化している場合には、表面を塗装するより、屋根カバー工法や葺き替えなどを検討したほうが適している場合があります。
つまり、判断すべきなのは「塗装するか、しないか」だけではありません。
今ある屋根をどこまで残せるのか、どの部分を修理する必要があるのかを先に判断することが大切です。
屋根・外壁リフォームで最初に工法を決めてはいけない理由|「診断が変われば、工事も変わる。」
焼津市・藤枝市・静岡市で屋根塗装と雨漏り修理を検討する場合
S・B・Gの検索表示クエリには、「焼津市 屋根塗装」「藤枝市 屋根塗装」「焼津市 屋根 リフォーム」「藤枝市 屋根 リフォーム」「静岡市 屋根 リフォーム」といった地域検索も確認されています。
屋根の色あせなどをきっかけに塗装を検討しているだけで、雨漏りがなく、屋根材や防水構造にも問題がないのであれば、塗装を一つの選択肢として検討できます。
しかし、すでに雨漏りが発生している場合は別です。
焼津市・藤枝市・静岡市など静岡県中部で業者へ相談する場合も、「屋根を塗ってほしい」と工事内容を先に指定するより、
「雨漏りしているので原因を確認してほしい」
と伝えるほうが、調査の目的が明確になります。
そのうえで原因を確認し、部分修理、板金工事、カバー工法、葺き替え、塗装などから、現在の屋根に必要な工事を判断することが重要です。
よくある質問
屋根塗装をすれば防水性は上がりますか?
塗膜によって屋根材表面を保護する効果は期待できますが、それを屋根全体の防水構造の修復と同じ意味で考えることはできません。屋根の防水には、屋根材だけでなくルーフィング、板金、取り合いなども関係しています。それらに不具合があれば、原因部分の修理が必要です。
雨漏りしている屋根に防水塗料を塗れば止まりますか?
雨漏りの原因によります。原因がルーフィングの劣化や板金、取り合い、外壁、開口部などにある場合、屋根表面へ塗料を施工しても原因は残ります。まず雨水の侵入箇所と経路を調査する必要があります。
屋根材の下に水が入ったら雨漏りではないのですか?
屋根材の下へ回った雨水が直ちに室内へ入るとは限りません。勾配屋根では、屋根材の下に下葺き材を施工して雨水の浸入を防ぐ構造が一般的です。重要なのは、その水を防水層で受け、適切に外へ排出できる状態になっていることです。
雨漏りの原因は屋根を見れば分かりますか?
目視だけで原因を断定できるケースばかりではありません。屋根材、板金、取り合い、外壁、窓まわりなど複数の箇所を確認し、室内側の症状や雨水の経路も含めて判断する必要があります。
雨漏り修理をしたあとに屋根塗装をする意味はありますか?
雨漏りの原因を適切に修理し、既存屋根材が今後も使用できる状態であれば、表面保護や美観維持を目的として塗装を行うことはあります。雨漏り修理と屋根塗装は、それぞれ目的を分けて考えることが大切です。
まとめ
屋根塗装と雨漏り修理は、同じ屋根に対する工事でも目的が異なります。
塗膜は主に屋根材の表面を保護するものです。
一方、住宅内部への雨水の浸入を防ぐためには、屋根材だけではなく、ルーフィング、棟や谷などの板金、壁との取り合い、雨仕舞、下地などを含めた屋根全体の構造が関係します。
そのため、雨漏りが発生したときに確認すべきなのは「何を塗れば止まるか」ではありません。
どこから雨水が入り、どの経路を通り、どの部分を直せば本来の防水構造を回復できるのか。
ここを確認することが先です。
原因が部分的な板金や取り合いであれば、その部分の修理で済む可能性があります。ルーフィングや下地まで広く劣化していれば、カバー工法や葺き替えを検討する場合もあります。雨漏りを修理したうえで既存屋根材を維持できるなら、その後に塗装を行う選択肢もあります。
株式会社S・B・Gでは、焼津市・藤枝市・静岡市など静岡県中部の屋根・外壁・雨漏りについて、塗装ありき、カバー工法ありきで考えるのではなく、既存の状態と雨水の侵入経路を確認したうえで必要な修繕を判断することを重視しています。
雨漏りを直すために必要なのは、表面をきれいに覆うことではなく、雨水が入っている原因を見つけ、その原因に合った修理をすることです。
