

吉田町の一般住宅で外れ・欠損した銅板製竪樋をPanasonicたてとい60へ交換した雨樋工事
吉田町の一般住宅にて、建物各所で外れや欠損が発生していた銅板製の竪樋を撤去し、Panasonic「たてとい60」へ交換しました。既存と同じ銅板で復旧する方法もありましたが、必要な機能と工事費用のバランスを検討し、今回は不具合が生じていた竪樋のみを交換しています。軒樋など使用できる部分は残し、雨水を地上まで適切に排出できる状態へ改善しました。
吉田町で行った雨樋交換工事の施工概要
今回の工事は、既存雨樋のすべてを交換する工事ではなく、外れや欠損が目立っていた竪樋を対象とした部分交換です。
| 項目 | 施工内容 |
|---|---|
| 施工地域 | 静岡県榛原郡吉田町 |
| 建物種別 | 一般住宅 |
| 築年数 | 不明 |
| 工事種別 | 雨樋交換工事 |
| 施工範囲 | 既存の銅板製竪樋 |
| 使用材料 | Panasonic たてとい60 |
| メーカー | Panasonic |
| 工期 | 1日 |
| 施工内容 | 既存竪樋の撤去、新しい竪樋と接続部材の設置 |
竪樋とは、屋根の軒先に設置された軒樋が集めた雨水を、地上や排水設備まで縦方向に流す管です。竪樋が外れたり途中で無くなったりすると、雨水が外壁や基礎付近へ直接落ちるため、雨樋全体の排水機能が成立しなくなります。
現地調査では竪樋だけでなく軒樋・集水器・排水先まで確認しました
今回の現地調査で重要だったのは、外れている竪樋だけを見て交換を決めるのではなく、雨水が屋根から地上へ流れる経路全体を確認することでした。
施工前の建物では、銅板製の竪樋が複数箇所で外れ、一部では管自体が無くなっている状態でした。竪樋が残っている部分についても、接続部の緩みや固定状態を確認し、再利用できるかを判断しました。
主に確認した項目は次のとおりです。
・軒樋に著しい変形や穴がないか
・集水器と竪樋の接続部分が残っているか
・竪樋がどの位置で外れているか
・既存の控え金具を再利用できるか
・外壁側の固定下地が傷んでいないか
・雨水の排出先が確保されているか
・軒樋から竪樋へ正常に水が流れるか
・銅板と新しい部材の取り合いを納められるか
・屋根面積に対して竪樋の本数や径が不足していないか
・外壁や基礎に雨水が集中した痕跡がないか
雨樋は、軒樋、集水器、エルボ、竪樋、継手、固定金具などの部材が連続して初めて機能します。竪樋だけが外れていても、原因が軒樋の傾きや集水器の破損にある場合は、竪樋の交換だけでは改善しません。
今回は確認の結果、主な不具合が竪樋の外れと欠損に集中しており、既存の軒樋まで全面交換する必要性は低いと判断しました。そのため、使用可能な銅板製の軒樋は残し、竪樋のみを交換する方針としました。
銅板での復旧ではなくPanasonicたてとい60を選択した理由
今回、既存と同じ銅板製の竪樋を新しく製作するのではなく、Panasonicの丸形竪樋「たてとい60」を使用しました。
銅板製雨樋には、金属特有の質感や、和風住宅・寺社建築などに調和しやすい意匠性があります。一方で、材料費や加工費がかかりやすく、既製の樹脂製雨樋と比べて交換費用が高くなる傾向があります。
今回の目的は、失われていた排水機能を回復させることでした。既存と同じ意匠や素材を完全に再現することよりも、必要な性能を確保しながら費用負担を抑えることを重視し、たてとい60への交換を選択しています。
| 改修方法 | 今回の適否 | 判断理由 |
|---|---|---|
| 外れた部分の再固定 | 不適 | 竪樋自体が無くなっている箇所があり、再固定だけでは復旧できないため |
| 欠損部だけの継ぎ足し | 一部可能 | 残存部分の状態に差があり、継ぎ足しを重ねるより交換した方が安定するため |
| 銅板製竪樋への交換 | 施工可能 | 既存との意匠を揃えられるが、材料・加工費が高くなるため |
| 軒樋を含む全面交換 | 今回は不要 | 使用できる軒樋まで交換する必要性が低かったため |
| たてとい60への部分交換 | 採用 | 排水機能を回復でき、費用と維持管理性のバランスがよいため |
部分交換では、「残せるものは残す」という判断が重要です。ただし、費用を抑えるために劣化した部材まで無理に再利用すると、短期間で別の箇所が外れる可能性があります。再利用範囲は、見た目ではなく固定強度と排水機能を基準に決める必要があります。
Panasonicたてとい60は外径約60mmの丸形竪樋です
今回使用した「たてとい60」は、住宅で広く使用される丸形の竪樋です。「60」は、管の外径が約60mmであることを示す呼称です。
Panasonicの現行ラインアップでは、たてとい60に対応する継手、エルボ、固定部材、既存部材との接続に使用できる部材が用意されています。丸形状のため、住宅の外観を大きく選ばず、交換用部材を組み合わせて現場の高さや位置に対応しやすいことが特徴です。
たてとい60の主な特徴
・外径約60mmの一般住宅向け丸形竪樋
・直管、継手、エルボなどを組み合わせて施工できる
・銅板製竪樋と比べ、材料費や加工費を抑えやすい
・部材交換や部分補修を行いやすい
・複数の外装色に合わせやすい色展開がある
・表面に耐候性を考慮した仕様が設定されている
メーカーは、丸形竪樋の一部について、硬質塩化ビニル樹脂や耐候性向上特殊樹脂を用いた仕様を案内しています。ただし、色によって表面仕様が異なる場合があるため、実際の材料構成は採用色と品番で確認する必要があります。
適している建物
たてとい60は、次のような住宅で選択肢になります。
・一般的な戸建住宅
・丸形竪樋が納まりやすい建物
・部分的に竪樋を交換したい建物
・費用を抑えながら排水機能を回復したい建物
・将来の部材交換を行いやすくしたい建物
適さない可能性がある建物
次のような場合は、別の雨樋や排水計画を検討します。
・大きな屋根面積を1本の竪樋で排水する建物
・豪雨時の排水量に対して管径が不足する建物
・銅板で外観を統一することが建築上重要な建物
・特殊な形状や大型雨樋が必要な建物
・既存軒樋や集水器との接続ができない建物
竪樋の径は、見た目や既存寸法だけで選ぶものではありません。屋根の投影面積、地域の降雨強度、軒樋の排水能力、竪樋の本数を踏まえて判断する必要があります。
既存の銅板と樹脂製竪樋を接続する際は取り合いの確認が重要です
異なる素材の雨樋を組み合わせる部分交換では、接続部が施工品質を左右します。
既存の集水器や軒樋が銅板製で、新しい竪樋が樹脂製の場合、形状や寸法がそのまま一致するとは限りません。接続部材や加工によって雨水を確実に竪樋へ導き、接続部から水が漏れないように納める必要があります。
また、雨樋ではシーリング材だけに固定や防水を依存してはいけません。部材同士の差し込み、専用接着剤、固定金具など、それぞれの役割を分けて施工することが基本です。
雨樋交換工事の施工工程
1.既存竪樋と固定金具の撤去
外れや欠損が発生していた既存の銅板製竪樋を撤去しました。
撤去時には、外壁や集水器を傷つけないように作業します。また、古い固定金具を外した跡については、新しい金具の固定位置と干渉しないかを確認します。
2.集水器と接続部の確認
軒樋から雨水を集める集水器の状態を確認し、新しい竪樋へ接続できるように調整します。
接続部分に変形や穴がある場合は、そのまま新しい竪樋を取り付けても水漏れするため、必要に応じて接続部材を交換または加工します。
3.竪樋の経路と寸法の確認
集水器から地上の排水先までの高さを測定し、エルボの角度、竪樋の長さ、外壁からの離れを決めます。
竪樋を無理に曲げたり、建物に対して斜めに取り付けたりすると、継手に負担がかかるため、できるだけ自然な経路で雨水を流します。
4.固定金具の設置
外壁へ竪樋を固定するための金具を設置します。
固定金具は、竪樋の自重だけでなく、強風や管内を流れる雨水による振動を支えます。外壁材だけに効かせるのではなく、固定できる下地を確認して取り付けることが重要です。
5.たてとい60の切断・接続
現場寸法に合わせて竪樋を切断し、継手やエルボを用いて接続します。
切断面が斜めになっていると差し込みが浅くなるため、直角に切断します。接続部は、差し込み量と部材の向きを確認し、雨水が途中で漏れないよう施工します。
6.排水先への接続と通水確認
竪樋の下端を既存の排水先へ納め、最後に雨水が正常に流れるか確認します。
水を流した際に、集水器、エルボ、継手、竪樋下端から漏れがないか、途中で水が滞留していないかを点検して工事完了です。
竪樋交換によって得られる12のメリット
今回の工事により、次のような改善が期待できます。
1.軒樋からの雨水を地上まで排出できる
2.外壁へ雨水が直接流れる状態を改善できる
3.基礎周辺への集中的な水落ちを抑えられる
4.雨天時の水跳ねや泥跳ねを軽減できる
5.玄関や通路付近への雨水の落下を防ぎやすくなる
6.雨音や水が落ちる音を抑えられる
7.外壁表面の雨筋汚れを減らしやすくなる
8.既存の軒樋を残すことで工事費を抑えられる
9.銅板で全面復旧するより費用を調整しやすい
10.既製部材のため将来の部分交換を行いやすい
11.建物周囲の排水経路を整理できる
12.外れた雨樋が落下する危険を解消できる
雨樋は建物を直接支える構造材ではありませんが、屋根に降った雨水を適切な場所へ排出し、外壁や基礎周辺に水を集中させない役割があります。
樹脂製竪樋への部分交換には注意点もあります
1.既存の銅板雨樋と素材が統一されない
軒樋は銅板、竪樋は樹脂製となるため、素材と経年変化に差が生じます。意匠を完全に統一したい建物には、銅板での交換が適しています。
2.銅板と同じ質感にはならない
樹脂製竪樋は、銅板特有の金属光沢や緑青による風合いを再現する材料ではありません。歴史的意匠や和風建築の外観を重視する場合は注意が必要です。
3.強い衝撃で割れや変形が起こる可能性がある
飛来物、はしご、車両、植木の枝などが接触すると破損することがあります。人や物が当たりやすい場所では配置と保護を検討します。
4.紫外線や熱によって徐々に劣化する
屋外で使用するため、長期間の紫外線や温度変化によって退色、硬化、変形が起こる可能性があります。
5.竪樋だけ直しても軒樋に不具合があれば解決しない
軒樋の詰まり、逆勾配、変形、穴あきがある場合、竪樋交換後も雨水があふれることがあります。
6.排水能力を確認せず径だけ合わせてはいけない
屋根面積や降雨量に対して排水能力が不足している場合は、竪樋の本数追加や、より大きな径の検討が必要です。
既存軒樋に大きな不具合がなく、必要な排水能力を確保でき、素材の違いを許容できる建物であれば、竪樋のみの部分交換は合理的な方法です。
吉田町では台風・塩害・紫外線を考慮した固定と点検が重要です
吉田町は駿河湾に近く、強風、塩分を含む空気、強い日射、湿気の影響を考慮する必要があります。
台風時には、建物の角や軒先付近に強い風圧がかかります。竪樋は細長い部材であるため、固定金具が緩んでいると揺れが大きくなり、継手の外れや管の破損につながります。
沿岸部では、金属製の固定金具やビスに錆が発生しやすくなる可能性があります。竪樋本体だけでなく、金具の腐食、ビスの緩み、外壁との固定状態も点検対象です。
また、吉田町では積雪よりも台風、豪雨、塩害、紫外線への対策を優先するのが一般的です。短時間に強い雨が降った際に軒樋から水があふれる場合は、詰まりだけでなく、竪樋の本数や排水能力も確認する必要があります。
施工後は1年後と5年ごとの点検が目安です
雨樋の状態を長く保つためには、竪樋本体だけでなく、軒樋から排水先まで一体として点検します。
点検時期の目安は次のとおりです。
・施工から1年程度の初期点検
・その後は5年ごとの定期点検
・台風や強風の通過後
・外壁塗装や屋根工事で足場を設置したとき
・雨天時に水漏れやあふれを確認したとき
点検では、継手の外れ、金具の緩み、竪樋の割れ、変形、色あせ、排水口の詰まりを確認します。
落ち葉や泥が溜まりやすい建物では、軒樋や集水器を定期的に清掃します。ただし、高所での確認は転落事故の危険があるため、地上から目視できない場所へ無理に上がるべきではありません。
Panasonicも、雨樋の性能を維持するためには点検と適切なメンテナンスが必要であると案内しています。
吉田町の雨樋交換工事に関するよくある質問
Q1.竪樋だけを交換することはできますか?
軒樋や集水器が使用でき、新しい竪樋と接続できる状態であれば可能です。軒樋にも穴や変形がある場合は、同時交換が必要になることがあります。
Q2.銅板雨樋に樹脂製竪樋を接続しても問題ありませんか?
適切な接続部材や加工によって雨水を導ける場合は施工できます。ただし、素材や色、経年変化は統一されません。
Q3.なぜ既存と同じ銅板で交換しなかったのですか?
銅板での交換は可能ですが、材料費と加工費が高くなる傾向があります。今回は排水機能の回復と費用のバランスを優先しました。
Q4.たてとい60の「60」とは何ですか?
竪樋の外径が約60mmであることを示す呼称です。建物に必要な排水能力を確認したうえで選定します。
Q5.工事は何日かかりますか?
今回の工事は1日で完了しました。施工箇所数、高さ、足場の有無、接続部の加工によって工期は変わります。
Q6.雨の日でも交換できますか?
接着や固定、通水確認に支障が出るため、原則として雨天時の施工は避けます。急な雨に備えて既存開口部を養生しながら進めます。
Q7.足場は必要ですか?
建物の高さ、作業位置、敷地条件によって異なります。はしごや脚立で安全に施工できない場合は、部分足場や全面足場が必要です。
Q8.雨樋交換の費用は何で決まりますか?
交換する長さ、本数、高さ、材料、役物数、固定下地、足場、既存雨樋の撤去処分、排水先の状態によって決まります。
Q9.竪樋が外れたままだと、すぐ雨漏りしますか?
竪樋の外れだけで直ちに屋内へ雨漏りするとは限りません。ただし、外壁や基礎周辺へ雨水が集中し、汚れや劣化を進める原因になる可能性があります。
Q10.火災保険で修理できますか?
経年劣化による外れや破損は、通常、補償対象になりません。台風や飛来物など、契約上の補償対象となる突発的な事故であれば、保険会社の審査対象になる可能性があります。
Q11.新しい雨樋に保証はありますか?
保証の有無や範囲は、材料、施工条件、販売時期、施工会社の保証内容によって異なります。材料保証と施工保証を分けて確認する必要があります。
Q12.雨樋は何年くらい使用できますか?
使用環境、紫外線、風、塩害、固定状態、清掃状況によって異なるため、一律には断定できません。年数だけで交換を決めず、割れ、変形、外れ、漏水の状態から判断します。
Q13.竪樋の色は選べますか?
製品の設定色から、外壁、軒樋、サッシなどに合わせて選択できます。ただし、既存の銅板と同じ風合いにはなりません。
Q14.雨が降ると軒樋から水があふれるのは竪樋が原因ですか?
竪樋の詰まりや本数不足の可能性がありますが、軒樋の詰まり、勾配不良、変形、集水器の位置なども考えられます。排水経路全体の確認が必要です。
Q15.外れた箇所を接着剤だけで直せますか?
一時的に接続できても、固定金具の不足や部材の変形が残っていれば再び外れる可能性があります。接続と固定の両方を確認することが重要です。
雨樋工事は交換範囲を決める前の建物診断が重要です
雨樋が壊れているからといって、必ずしも軒樋から竪樋まですべて交換する必要はありません。一方で、目に見える外れだけを戻しても、固定金具や集水器が傷んでいれば、不具合を繰り返します。
今回の建物では、銅板製雨樋をすべて同じ材料で復旧する方法、雨樋全体を交換する方法、竪樋だけを樹脂製へ交換する方法を比較しました。その結果、既存の軒樋を利用しながら、欠損していた排水経路を回復させる方法が、建物の状態と予算に合っていると判断しました。
株式会社S・B・Gが考える「本質施工〜その家に、最善の選択を。〜」とは、工事範囲を必要以上に広げることでも、費用だけを優先して補修範囲を狭めることでもありません。
残せる部材、交換すべき部材、将来不具合が起きる可能性がある部分を整理し、その建物に必要な範囲を見極めることが重要です。
まとめ|使用できる銅板製軒樋を残し、欠損した竪樋だけを交換しました
今回の吉田町の一般住宅では、建物各所で外れや欠損が発生していた銅板製竪樋を撤去し、Panasonicのたてとい60へ交換しました。
既存と同じ銅板で交換すれば素材と意匠を統一できますが、工事費が高くなります。また、使用できる軒樋まで全面交換すると工事範囲が必要以上に広がります。
そこで今回は、軒樋、集水器、排水先の状態を確認したうえで、排水機能を失っていた竪樋のみを交換しました。工事後は、屋根に降った雨水を外壁や基礎付近へ直接落とさず、竪樋を通して地上へ排出できる状態となっています。
建物によって最適な工法は異なります。
株式会社S・B・Gでは、不要な工事をおすすめすることはありません。
現地調査を行い、その建物に本当に必要な施工をご提案いたします。