
ノンアスベスト屋根材とは、簡単にいうとアスベスト(石綿)を使用していない屋根材のことです。
特に住宅の化粧スレートでは、アスベストを含む製品から含まない製品へ切り替わっていく過程で、さまざまなノンアスベスト製品が登場しました。
ただし、「ノンアスベスト屋根材=すべて割れやすい屋根」という意味ではありません。製品によって性質や劣化の特徴が異なるため、自宅の屋根がどの製品なのかを確認したうえで状態を判断することが重要です。
なぜ「割れやすい」と言われるの?
以前の化粧スレートには、材料を補強する目的などでアスベストが使用されていた製品がありました。その後、アスベストを使用しない製品へ移行していきます。
その移行期に製造された一部のノンアスベスト屋根材には、経年によってひび割れ、欠け、層状の剥がれ、反りなど、製品ごとに特徴的な劣化が現れるものがあります。
このため、住宅リフォームの分野では「ノンアスベスト屋根は割れやすい」とまとめて表現されることがあります。
しかし、ノンアスベストというだけで劣化状態を判断することはできません。
現在の化粧スレートにもアスベストを使用していない製品があります。「ノンアスベスト」という言葉は、あくまでアスベストを使用していないことを表すものであり、それ自体が屋根材の耐久性を示す名称ではありません。
化粧スレートという屋根材そのものについては、こちらで詳しく説明しています。
スレート屋根とは?特徴・見分け方・耐用年数・メンテナンス方法を解説
代表的なノンアスベスト屋根材
ノンアスベスト化が進んだ時期には、複数のメーカーからさまざまな屋根材が販売されました。
代表的な製品として知られているものには、パミール、コロニアルNEO、ザルフ、グリシェイドNEO、アーバニー、レサス、シルバス、セキスイかわらUなどがあります。
ただし、これらはすべて同じ屋根材ではありません。メーカーや製品構造、形状、劣化の現れ方などが異なります。
また、製造時期によって仕様が異なる場合もあるため、単に「ノンアスだから」という理由だけで同じ扱いをするべきではありません。
自宅の屋根がノンアスベストか見分けられる?
地上から屋根を見ただけで、アスベストの有無や具体的な製品名まで正確に判断するのは困難です。
同じ化粧スレートでも外観が似ている製品があり、経年劣化や過去の塗装によって本来の特徴が分かりにくくなっている場合もあります。
確認するときは、建築時の図面や仕様書、屋根材の商品名が分かる資料などが有力な手掛かりになります。
製品名が分からない場合は、施工業者が屋根の形状や模様、厚み、重なり方、劣化症状などを確認しながら判断していきます。
ご自身で確認するために屋根へ上るのは危険なので避けてください。
ノンアスベスト屋根材は塗装できない?
ここも誤解されやすい部分です。
ノンアスベスト屋根材だから塗装できない、というわけではありません。
重要なのは、その屋根がどの製品で、現在どのような状態なのかです。
表面の塗膜が劣化しているだけで、屋根材自体に大きな問題がなければ、塗装を検討できる製品もあります。
一方で、屋根材そのものに多数のひび割れや欠け、剥離などが発生している場合、表面を塗装しても屋根材自体の強度が元に戻るわけではありません。
そのような状態で「塗ればきれいになるから大丈夫」と判断するのは注意が必要です。
劣化していたらどう修理する?
必要な工事は、製品と劣化状態によって変わります。
軽微な損傷であれば部分的な補修を検討できる場合があります。一方、屋根材全体の劣化が進んでいれば、既存屋根の上から新しい屋根を施工するカバー工法や、既存屋根を撤去する葺き替えなどが検討されます。
ここで確認したいのは、表面に見えている屋根材だけではありません。
屋根材の下には雨水の侵入を防ぐ**ルーフィング(防水シート)**があり、その下には屋根を支える下地があります。雨漏りが発生している場合も、屋根材だけが原因とは限りません。
そのため、「ノンアスベストだから塗装」「割れているからカバー工法」と工法を先に決めるのではなく、製品の特定、屋根材の状態、防水層や下地、雨漏りの有無まで確認してから修理方法を判断することが大切です。
同じノンアスベスト屋根材でも、製品と現在の状態が違えば必要な工事も変わります。