パミールとは、ニチハ株式会社が製造・販売していた無石綿(ノンアスベスト)の屋根材です。ニチハの公式資料では、1996年当時に「無石綿屋根材」として生産されていたことが確認できます。
見た目は一般的な薄型の屋根材に近いため、住宅所有者の方が地上から見ただけでは、パミールかどうか判断しにくいことがあります。
パミールで特に重要なのは、劣化した屋根に塗装しても、屋根材そのものの傷みを直すことはできないという点です。
パミールはノンアスベスト屋根材の一つ
パミールは、アスベストを使用しない屋根材として販売された製品です。
アスベストを含まない屋根材にはパミール以外にもさまざまな製品があり、それぞれ特徴や劣化の現れ方が異なります。そのため、「ノンアスベスト屋根材ならすべてパミール」というわけではありません。
ノンアスベスト屋根材については、こちらで詳しく説明しています。
ノンアスベスト屋根材とは?割れやすいと言われる理由と代表的な製品を解説
パミールの見分け方は?
パミールを確認するときの手掛かりの一つが、屋根材の形状です。
ただし、屋根材は地上から見ると細かな形状まで確認しにくく、ほかの屋根材と見た目が似ている場合もあります。塗装されている住宅では、さらに判別しにくくなることがあります。
そのため、外観だけで「これはパミールです」と断定するのは適切ではありません。
新築時の図面や仕様書、過去の工事資料などに商品名が記載されていれば、有力な確認材料になります。資料がない場合は、専門業者が屋根材の形状や施工された時期、劣化状態などを確認しながら判断します。
確認のためにご自身で屋根へ上るのは危険なので避けてください。

パミールで注意したい劣化症状
パミールについて知っておきたいのが、屋根材自体に劣化が生じているケースです。
屋根材の端部などが薄い層に分かれるように傷んだり、表面が剥がれたり、欠けたりする状態が確認されることがあります。
ここで重要なのは、単なる「表面の色あせ」と「屋根材そのものの劣化」を分けて考えることです。
色が薄くなっているだけなら塗膜の劣化を考えますが、屋根材そのものが層状に剥がれたり崩れたりしているのであれば、表面だけの問題ではありません。
なぜパミールは塗装できないと言われるの?
パミールに劣化が生じている場合、塗装をしても傷んだ屋根材そのものを元の状態に戻すことはできないからです。
屋根塗装は、基本的に屋根材の表面へ塗膜を形成する工事です。屋根材そのものが剥離したり崩れたりしている状態に対して、塗料を塗ることで屋根材自体の強度が回復するわけではありません。
そのため、パミールと確認された屋根では、まず現在の劣化状態を確認することが重要です。
これはパミールに限らず、スレート系屋根材を考えるうえでも大切な考え方です。
スレート屋根とは?特徴・見分け方・耐用年数・メンテナンス方法を解説
パミールが劣化していたらどうする?
屋根材全体に劣化が進んでいる場合には、塗装ではなく、既存屋根の上から新しい屋根材を施工する屋根カバー工法や、既存屋根材を撤去して新しい屋根へ交換する葺き替えなどが検討されます。
ただし、「パミールだから必ずカバー工法」と決めるものでもありません。
既存屋根の状態、屋根材の下にあるルーフィング(防水シート)、野地板などの下地、雨漏りの有無によって適した工事は変わります。
塗装・カバー工法・葺き替えの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
屋根リフォームは塗装・カバー工法・葺き替えのどれ?違いと選び方を解説
パミールで大切なのは、見た目が古くなったから塗装する、という順番で工事を決めないことです。
まず屋根材が本当にパミールなのかを確認し、次に屋根材自体の劣化、防水層や下地の状態まで見たうえで工事方法を判断します。
屋根材の種類と現在の状態が違えば、必要な工事も変わります。
