屋根塗装の見積もりを取ると、同じ住宅でも施工会社によって金額が違うことがあります。その差は塗料の価格だけで生まれるものではありません。実際には、屋根面積、勾配、形状、足場、既存屋根の劣化状態、下地処理、ひび割れ補修、棟板金など、複数の条件が費用に影響します。この記事では、屋根塗装の費用が何によって変わるのか、見積金額の内訳を住宅外装の施工側から解説します。
屋根塗装の費用は「面積×塗料単価」だけでは決まらない
屋根塗装の費用を考えるとき、「屋根が何㎡あるか」と「どの塗料を使うか」だけで金額が決まると思われることがあります。
実際には、それほど単純ではありません。
屋根塗装には、塗料そのもの以外にも、
- 足場や飛散防止対策
- 高圧洗浄
- 養生
- 下地処理
- ひび割れや欠けの補修
- 下塗り
- 中塗り・上塗り
- 棟板金など金属部の処理
- 必要に応じた縁切り
- 屋根形状や勾配によって増える施工手間
などが関係します。
さらに重要なのが、既存屋根がどのような状態なのかです。
同じ100㎡のスレート屋根でも、表面の色あせ程度の屋根と、ひび割れや欠けが多く補修箇所の多い屋根では、塗装前に必要な作業が違います。
つまり屋根塗装の費用は、
施工面積+施工条件+既存屋根の状態+使用材料+必要な付帯工事
によって決まると考えたほうが実態に近くなります。
株式会社S・B・Gの実際の検索表示クエリでも、「屋根塗装」「焼津市 屋根塗装」「藤枝市 屋根塗装」のほか、「屋根リフォーム」「屋根修理」など、屋根のメンテナンスや工事先を探す検索が確認されています。
ここからは、見積金額を変える主な要素を一つずつ見ていきます。
1.屋根面積が大きくなるほど塗装する数量も増える
屋根塗装の費用に直接影響する要素の一つが施工面積です。
基本的には塗装する面積が増えれば、
使用する塗料、
下塗り材、
洗浄する範囲、
作業量、
も増えていきます。
ただし、ここで注意したいのが、建物の床面積と屋根面積は同じではないという点です。
延床面積や建坪だけでは屋根面積は分からない
例えば同じ建坪の住宅でも、屋根の勾配や形状によって実際の屋根面積は変わります。
屋根には傾斜があるため、真上から見た水平投影面積より実際の屋根面積は大きくなります。
さらに軒の出もあります。
そのため、
「30坪の家だから屋根も約30坪」
という計算にはなりません。
正確な見積もりを作成するには、図面から拾い出したり、現地で寸法を確認したりして施工面積を算出します。
相見積もりで各社の「屋根塗装㎡数」が大きく違う場合は、どのように数量を算出したのか確認してみるとよいでしょう。
2.屋根の形状が複雑になると施工手間が変わる
同じ面積でも費用差が出る理由の一つが屋根形状です。
例えば、比較的単純な切妻屋根と、複数の屋根面が組み合わされた複雑な屋根では、施工のしやすさが違います。
屋根面が細かく分かれると、
養生する箇所、
塗装の端部、
棟や隅棟、
谷、
壁との取り合い、
などが増える場合があります。
大きな一面を連続して施工するのと、細かな屋根面を移動しながら施工するのとでは、同じ㎡数でも必要な手間は同じではありません。
これは塗装に限らず、建築板金や屋根カバー工法、葺き替えでも同じです。
屋根工事では、**面積だけでは表せない「納まりの数」**が施工手間を左右します。
例えば谷があれば谷板金があり、壁に接する部分があれば雨押えなどの取り合いがあります。塗装工事でも、こうした部位の状態確認や養生、施工範囲によって作業内容が変わります。
そのため「100㎡だからいくら」と面積だけで判断すると、実際の見積もりとのズレが生じます。
3.屋根勾配によって足場や施工方法が変わることがある
屋根の傾斜である「勾配」も、見積もりに影響する要素です。
比較的緩やかな屋根と急勾配の屋根では、作業条件が違います。
急勾配になるほど屋根上での移動や作業が難しくなり、安全に施工するための設備や施工方法を検討する必要があります。
住宅によっては通常の外周足場だけでなく、屋根面に屋根足場などを設ける場合もあります。
このため、
建物の高さ
屋根勾配
足場を設置する敷地条件
屋根への昇降方法
などによって足場費用や施工手間が変わることがあります。
また、屋根面積そのものも勾配が強くなるほど大きくなります。
見た目では同程度の大きさの住宅でも、屋根形状と勾配が違えば塗装面積や施工条件が変わるため、見積金額が同じになるとは限りません。
4.屋根塗装の費用差が出やすいのは「下地処理」
屋根塗装の見積もりを考えるうえで、特に確認したいのが下地処理です。
塗装工事というと、どうしても仕上げ塗料に注目しがちですが、実際には塗る前の屋根がどのような状態なのかによって施工内容が大きく変わります。
色あせだけの屋根と割れが多い屋根では作業量が違う
例えばスレート屋根の場合、
表面の色あせ、
コケや汚れ、
小さなひび割れ、
大きな割れ、
欠け、
反り、
既存塗膜の状態、
などを確認します。
単純な洗浄と塗装で進められる屋根と、多数の補修が必要な屋根では、同じ面積でも必要な作業量が違います。
ケイミューもカラーベストについて、部分的な割れやクラックなどは屋根材の差し替えや接着などによって補修できると案内しています。
【ケイミュー「お問い合わせ・FAQ」】
https://www.kmew.co.jp/inquiry/
つまり、「スレート屋根100㎡を塗る」という条件だけでは見積もりは決まりません。
その100㎡を塗装できる状態にするまで何が必要なのかまで考える必要があります。
スレート屋根が割れていると塗装できない?補修・カバー工法を含めた判断方法
補修が増えれば塗装以外の選択肢も検討する
ここでもう一つ重要なのが、補修箇所が多ければ、そのまま補修費を増やして塗装すればよいとは限らないことです。
屋根全体に割れや反りなどが広がり、屋根材自体の状態が悪くなっている場合には、塗装より屋根カバー工法や葺き替えを検討したほうがよいことがあります。
塗装は既存屋根材の表面を維持・保護するための工事であり、傷んだ屋根材そのものを新品へ戻す工事ではありません。
見積金額だけではなく、その屋根に塗装費用をかけること自体が適切なのかまで確認する必要があります。
屋根塗装と屋根カバー工法はどう選ぶ?既存屋根の状態から考える判断基準
5.使用する塗料と塗装仕様でも金額は変わる
当然ながら、使用する塗料も屋根塗装の費用に影響します。
ただし、単純に「高い塗料ほど良い」と考えるのは適切ではありません。
重要なのは、
既存屋根材に使用できる塗料なのか
どの下塗り材と組み合わせるのか
メーカーがどのような施工仕様を定めているのか
何回塗る仕様なのか
という点です。
例えば同じ仕上げ塗料でも、既存屋根の状態によって下塗りの考え方が変わることがあります。
また、メーカーによって対応する屋根材や施工条件が設定されています。
ケイミューもカラーベストについて、表面の色あせだけで屋根材としての基本性能や防水性に問題が生じるわけではなく、美観の維持向上を目的として再塗装を行う考え方を示しています。また、対応する再塗装用塗料についても案内しています。
ここから分かるのは、屋根塗装では「塗料を塗れば屋根が直る」と考えないことです。
屋根材の状態を確認したうえで、その屋根材に適した材料と施工方法を選ぶ必要があります。
6.棟板金など付帯部分をどこまで施工するかでも変わる
屋根は屋根材だけで構成されているわけではありません。
スレート屋根であれば、棟部分には棟板金が施工されている住宅が多くあります。
さらに屋根形状によっては、
谷板金、
雨押え、
水切り、
その他の金属部材、
などがあります。
屋根塗装の見積もりでは、こうした部分をどこまで施工するかによって費用が変わります。
例えば棟板金についても、
塗装だけを行うのか、
錆などの下地処理を行うのか、
固定状態を確認するのか、
補修するのか、
交換するのか、
では工事内容が違います。
屋根面の塗装単価だけを比較しても、付帯部分の施工範囲が違えば見積金額は揃いません。
特に建築板金の視点では、屋根面だけでなく棟や谷、壁際などの雨仕舞も確認します。
ただし、雨漏りがある場合に「怪しそうなところへコーキングしてから塗装する」といった対応だけで済ませるのは適切ではありません。
雨漏りは屋根、外壁、開口部、板金、防水層、取り合いなど複数の場所から発生する可能性があります。
雨漏りがある場合は、
原因調査
↓
原因特定
↓
修繕範囲の判断
↓
必要な修理
という順序で考える必要があります。
7.足場費用は屋根面積だけでは決まらない
屋根塗装では足場費用も見積金額の一部になります。
足場は屋根面積ではなく、主に建物の外周や高さ、形状、設置条件などによって数量が変わります。
例えば、
建物の外周が長い、
2階建て・3階建てなど高さが違う、
隣家との間隔が狭い、
敷地内に足場を組みにくい場所がある、
といった条件によって施工方法が変わる場合があります。
また、外壁塗装と屋根塗装を同時に行う場合には、同じ足場を利用できるケースがあります。
だからといって「必ず同時施工がお得」と決める必要はありませんが、近い時期に外壁と屋根の両方を施工する予定があるなら、足場を共用できるか確認する価値はあります。
相見積もりで価格が違うときは「単価」より条件を揃える
例えば3社から屋根塗装の見積もりを取り、
A社:70万円
B社:85万円
C社:100万円
だったとします。
この数字だけを見れば、A社が安くC社が高く見えます。
しかし、実際にはA社とC社で工事内容が違う可能性があります。
C社には、
屋根材の補修、
棟板金の下地処理、
必要な縁切り、
異なる下塗り仕様、
などが含まれているかもしれません。
反対に、ほぼ同じ施工内容でも会社ごとの価格設定によって差が出る場合もあります。
そこで相見積もりでは、まず以下の条件を揃えます。
屋根の施工面積
足場の範囲
洗浄
下地処理
屋根材の補修
下塗り材
仕上げ塗料
塗装回数
棟板金などの施工範囲
縁切りの扱い
追加工事になる条件
ここまで比較して初めて、「なぜこの会社は高いのか」「なぜこの会社は安いのか」が見えてきます。
屋根塗装の見積書で確認したい項目|塗料以外に見るべき施工内容
見積金額が会社によって異なる仕組みそのものについては、屋根リフォーム全体でも同じ考え方があります。
屋根リフォームの見積書で「一式」に注意したい理由|確認したい工事項目とは
屋根塗装の「相場」だけで判断しにくい理由
屋根塗装を検討すると、「一般的な費用はいくらなのか」を知りたくなると思います。
相場を知ること自体は、予算を考えるうえで参考になります。
しかし、相場だけで自宅の適正価格を判断するのは難しい面があります。
理由はここまで説明してきた通り、
屋根面積、
勾配、
屋根形状、
建物の高さ、
足場条件、
既存屋根材、
劣化状態、
補修量、
塗装仕様、
付帯部分、
が住宅ごとに違うためです。
特に注意したいのは、安い金額で塗装できることと、現在の屋根に塗装が適していることは別の問題だということです。
例えば劣化した屋根に安く塗装できたとしても、屋根材そのものが塗装による維持に適さない状態なら、工事方法から考え直す必要があります。
逆に、塗装で十分維持できる状態なのに、必要以上に大規模な工事を行う必要もありません。
株式会社S・B・Gでは、このように「塗装ありき」「カバー工法ありき」で考えるのではなく、既存屋根の状態を確認してから工法を判断することを基本にしています。
焼津市・藤枝市・静岡市で屋根塗装の見積もりを取るときの確認順序
焼津市・藤枝市・静岡市など静岡県中部で屋根塗装を検討するときも、まず「㎡単価はいくらですか」と聞くより、現在の屋根を確認してもらうことから始めたほうが実際の工事内容を把握しやすくなります。
確認する順序は、
1.既存屋根材は何か
2.現在どのような劣化があるか
3.塗装で維持できる状態か
4.補修が必要な場所はあるか
5.どこまでを塗装範囲とするか
6.どの材料・仕様で施工するか
7.その結果として見積金額はいくらになるか
という流れです。
この順番を逆にして、最初に予算だけを決めて施工内容を合わせようとすると、本来必要な補修が抜けたり、逆に不要な工事が含まれたりする可能性があります。
「診断が変われば、工事も変わる。」という考え方は、工法選びだけでなく見積金額にもそのまま当てはまります。
屋根塗装の金額を見るときは、その金額になった理由を説明できる見積もりかどうかを確認することが大切です。
よくある質問
屋根塗装は屋根面積が同じなら同じくらいの費用になりますか?
必ずしも同じにはなりません。屋根面積が同じでも、勾配、屋根形状、足場条件、既存屋根の劣化状態、補修量、塗料、棟板金などの施工範囲によって費用は変わります。面積は見積金額を構成する一つの要素と考えてください。
30坪の住宅なら屋根塗装の面積も30坪ですか?
建坪と実際の屋根面積は同じではありません。屋根には勾配や軒の出があり、形状によっても面積が変わります。正確な見積もりでは図面や現地調査などから施工面積を算出します。
屋根のひび割れが多いと塗装費用は高くなりますか?
補修が必要であれば、その作業量によって費用が変わる可能性があります。ただし、ひび割れや欠けが屋根全体に広がっている場合は、補修費を追加して塗装することだけが正解とは限りません。カバー工法や葺き替えを含めて工法自体を検討する必要があります。
高い塗料を使えば屋根塗装の寿命も必ず長くなりますか?
塗料だけでは決まりません。既存屋根材との適合性、下地の状態、下地処理、施工方法、メーカー仕様なども関係します。屋根材自体が大きく劣化している場合には、高価な塗料を使用しても屋根そのものの問題を解決できるわけではありません。
相見積もりで金額が大きく違う場合は何を確認すればよいですか?
まず施工面積と工事範囲を揃えてください。そのうえで、足場、洗浄、補修、下地処理、下塗り、仕上げ塗料、塗装回数、縁切り、棟板金などの付帯部分、追加工事の条件を比較します。同じ「屋根塗装」という名称でも中身が違うことがあります。
まとめ
屋根塗装の費用は、単純な「屋根面積×塗料単価」だけでは決まりません。
見積金額を左右するのは、
屋根面積
屋根形状
勾配
足場条件
既存屋根材
劣化状態
下地処理
補修量
使用する塗料と施工仕様
棟板金などの付帯部分
といった複数の条件です。
そのため、相場より高い・安いという数字だけで判断するのではなく、まず「なぜこの金額になっているのか」を確認してください。
そして、さらに一つ前の段階として、そもそも現在の屋根に塗装が適しているのかを確認することも欠かせません。
屋根材が健全で塗装による維持が可能なら、必要な下地処理と適切な塗装仕様を組み立てます。
一方、屋根材や下地の劣化が進んでいるなら、屋根カバー工法や葺き替えなど別の方法を検討します。
株式会社S・B・Gでは、焼津市・藤枝市・静岡市を中心とした静岡県中部で、屋根工事や建築板金、外壁工事など住宅外装について相談を受けています。
屋根塗装の見積もりを比較するときは、最初から「一番安い会社」を探すのではなく、自宅の屋根に必要な施工を明確にし、その内容に対していくらかかるのかを見るという順番で考えると、金額の違いを判断しやすくなります。
